今年のM-1グランプリで「M-1史上最大におもしろかった」と言われています。
その理由は、ファイナリストたちのネタのクオリティはもちろんですが、M-1グランプリ2019に出演した人たちの「チームワーク」「チーム力」も大きなウェイトを占めていると思います。
昨年、2018年のM-1で、最後の最後、審査員のダウンタウン松本人志さんがおっしゃってた「チームでやりきった」という言葉。
これが今年も存分に感じられました。
漫才のNo. 1を決める大会なのになんでチームなのか…
と思われた方もいるのでは?
今回のM-1は初出場組が9組中7組とフレッシュな面々。
何でも批判したい人たちの間では「本番より(知名度が高いコンビが多数出演する)敗者復活の方がおもしろそう」なんて意見も出ていました。
そんな意見には、決勝に残った各コンビかネタのおもしろさでねじ伏せることができたと思います。
それとともに、全体を振り返ってみると、その史上最高なのは確かにチームの力があったからだなとうなづけるんですよね。
今回は、お笑い大好きM-1大好きなカジテレママが考えるチーム力でなしえた史上最高のM-1を振り返ってみたいと思います。
一番最初のポイントはえみちゃん(上沼恵美子さん)
今年の審査員は、昨年、2018年のM-1グランプリと全く同じメンバーでした。
メンバーはこの方々。
上沼恵美子さん
ダウンタウン・松本人志さん
中川家・中川礼二さん
立川志らくさん
サンドウィッチマン・富澤たけしさん
ナイツ・塙宣之さん
オール巨人さん
2年連続で同じ顔触れの審査員というのはM-1の歴史の中で初めてのことです。
個人的には塙さんがまた出演してくださる方が一番うれしかったですが、上沼さんも引き続き引き受けてくださったことにとても安心しました。
2018年のM-1騒動とは
昨年のM-1は、とろサーモン久保田さんとスーパーマラドーナ武智さんが酔っ払って審査員の上沼恵美子さんと思われる審査員の方に対して暴言を吐き、それをインスタで生配信するという場外乱闘がありました。
お二人は漫才を真摯に取り組む仲間たちへの想い、M-1への想いが強すぎるからこそ、間違った暴走をされたとは思うんです。
だからといって許されるわけではありません。
特に、武智さんの「更年期障害か?」とか「おばはん」という言葉はやはりひどいですよね。
芸人の先輩へ「おもしろい、おもしろくない」で暴言を吐くならともかく、センシティブなことを言うのは全くお門違いというか、全然おもしろくないですから。
それは上沼恵美子のぶっ込みから始まった
そんな久保田・武智の発言、そしてそれによる炎上について、上沼さんは「知らない」と無視を貫きました。
しかし、そんな状況でも世間の批判は大きくなるばかりで、上沼さんが審査員を辞めるのではないかと言う見方も出てきました。
松本さんが上沼さんの番組「痛快!えみちゃんねる」にゲスト出演し、今年の審査員も引き受けてくださるようお願いする場面もありましたし。
ということで、その顛末を知ってる視聴者としては、上沼さんがどういう気持ちでいらっしゃるかがとても気になっていたんです。
そんな視聴者の気持ちもわかってらっしゃるかのように、上沼さんは冒頭の紹介時にいきなり、
「更年期障害を乗り越えてまいりました」
とぶち込みます。
今田さんや松本さんに制止されながらもそこで大きな盛り上がりを見せました。
視聴者としては、上沼さんがネタにしてくれたことで、この騒動が本当に終わった感じがしました。
ずっとそのことに上沼さんが触れなかったら、もやもやしながら見ることになりますから。
上沼さん的にも、一年、とろサーモンもスーパーマラドーナも仕事が激減したり、罰は受けたと思うので、自分がネタにすることで許したのかもしれませんね。
でも、そんな今年のM-1でもとろサーモン久保田さんはろくなことをやってなかったようですが…
武智さんも自分のYouTubeチャンネルでバカなことをしてるみたいです。
懲りないですよね。
ニューヨークのネタ終わりでの松本さんとのやりとり
M-1グランプリ2019、1組目は初決勝のニューヨークでした。
ニューヨークは皮肉や批判を織り交ぜながらネタをやるお二人。
GYAO!で決勝戦まで配信されていた3回戦でのネタは「大家族のネタ」でした。
大家族についての皮肉たっぷりのネタでおもしろいんですが、大家族の番組が好きな私としては、その家族の顔がどうしても頭に浮かんでしまって、何とも言えなくなってしまうというか、ただ笑うと言うことができなかったんですね。
決勝でもそんな感じのネタなのかなぁと思っていたんですが、まさかまさかのオリジナルソングを歌うというネタ。
このネタ、1組目ということもあり、あまり点数は伸びませんでしたが、何度も見ていくとめちゃくちゃおもしろくなってきます。
頭にラヴソングが浮かぶ…
歌の中でも皮肉ってはいるんですが、特定の人間については言ってないので、素直に笑えます。(強いて言っているとすれば、長渕剛さんだけど、長渕さんは強い人なので気にもされないでしょうし)
ニューヨークのネタが終わって、点数が出たあと、審査員のみなさんからコメントをもらったとき、次のこの大会の方向が決まるポイントがあったと思います。
松本さんのコメントの番になったとき、松本さんがツッコミの屋敷さんに対して、
「少し笑いながらツッコんでいる。怒ってツッコんでくれる方が自分的には好き」
と発言。
そのコメントが終わるか終わらないかぐらいのとき、食い気味に屋敷さんが、
「さっっっいあくや(最悪や)!!」
と大声で悔しがったというか、吐き捨てたんです。
そこで大きなウケが起き、松本さんも「俺が話してるんやからちゃんと話し聞けやーー!!」と大声を張り上げることになり、さらに客席が大爆笑に包まれました。
これがすごく大きかった気がするんですよ。
そのあと、ボケの嶋佐さんのふてくされた顔と、それに「辛気臭い顔すんな」とビンタする今田さんと続いて行きました。
昨年、2018年のM-1は、ネタがおもしろいながら、なかなかお客さんが爆笑しまくるというか、爆発的にウケる感じがなかったんです。
序盤にネタをやったスーパーマラドーナやかまいたちもその雰囲気を感じ取っていたのが、M-1の舞台裏の放送でも流れていました。
これは、放送時間を長くとったことで、どの審査員さんにもお話を聞く時間ができたことで、審査員の方の指摘が厳しいなぁという印象をお客さんが受けてしまったから、少し引くというか、お客さんの笑いがだんだんと増えていく感じが全くなかったんですよね。
キャッチコピー「無秩序」のトムブラウンまでは雰囲気は固かったんです。
トムブラウンで、お客さんのリミッターが外れて、さらにちょこちょこスーパーマラドーナの田中さんの小ネタかあったことで、やっとリラックスして見られるようになり、結果的に順番が後半だった霜降り明星が爆発的にウケることにつながっていきます。
今回は、上沼さんの「おばちゃんキャラを使った傍若無人とも見える番組への盛り上げ」で見ている側を安心させ、ニューヨークの「審査される側がシュンとしてしまうのではなく、言い返した」ことで、賞レースだけど、張り詰めて見なくてもいいんだという思いに視聴者がなったことで、エンタメ番組として盛り上がるきっかけになったのではないでしょうか。
松本さんのM-1グランプリでのコメント
お笑いのショーレースを否定する人もいますが 今宵もお笑いの猛者達が順位をつけてくれと集まってきます。
松本了解しました。今夜M1です。
— 松本人志 (@matsu_bouzu) December 22, 2019
昨年のM-1では「出演者たちがチームで盛り上げてくれた」とおっしゃった松本さん。
今年は優勝が決まった後のコメントで、
「過去最高と言ってもいいのでは。数年前ならだれが優勝してもおかしくない。」
とおっしゃいました。
前半のえみちゃん劇場、そしてニューヨークがただ指摘されただけで終わらなかったことで、全体の雰囲気が盛り上がり、お客さんがリラックスして楽しく漫才を見ることかできるようになったことで、ミルクボーイやぺこぱのネタがさらに光り輝く結果になったのではないでしょうか。
ONE TEAMで史上最高の戦いを盛り上げたM-1グランプリ2019
そんなチームで番組全体を盛り上げ、史上最大の戦いを繰り広げたM-1グランプリ2019。
この大会で笑神籤(えみくじ)を引いたのは、くしくも日本中が盛り上がったラグビーW杯の日本代表のみなさん。
昨年の笑神籤を引かれた方が悪いわけではないんですけど、昨年はレスリングの吉田沙保里さん、柔道の阿部一二三さん、ボクシングの井上尚弥さんとどの方も個人競技の方だったんですよ。
今回はチームプレで盛り上げたラグビー日本代表のみなさん。
何か因果を感じてしまいます。
今年は、M-1にかかわる人たちが、まさにONE TEAM(ワンチーム)だったってことですね。
今回、熾烈な戦いのはずなのに、ヒリヒリした感じが全くなかったのは、M-1を賞レースとしてではなく、エンタメとして最高の番組に仕上げた、そんなチームプレーの賜物だったと思います。
以上、【M-1グランプリ2019】過去最高の戦いと言われたM-1決勝戦で松本人志さんが最後につぶやかれた言葉【チームプレー】でした。
M-1グランプリ2019についてはこちら。
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