7月20日15時から、雨上がり決死隊の宮迫博之さんと、ロンドンブーツ1号2号の田村亮さんが記者会見をしました。
この会見は、吉本興業が開いたのではなく、宮迫さん、亮さんの連名で報道各社に通知して開かれた謝罪会見でした。
宮迫と亮が関わった闇営業問題についての記者会見
このたびは、多大なるご迷惑をおかけし、大変お待たせしてしまい、本当に申し訳ございませんでした。亮と2人で本日午後3時から謝罪会見を開きます。各メディアを通じてにはなってしまいますが、皆様の前で、自分の言葉で事実をお伝えし、謝罪をさせてください。
— 宮迫 (@motohage) July 20, 2019
6月7日に週刊誌FRIDAYが報じた闇営業問題を受けたものです。
2014年、振り込め詐欺グループの忘年会を兼ねた結婚披露パーティーに、カラテカ入江の仲介で出席した宮迫や亮たち芸人が、所属事務所を通さずに金銭を受け取っていた問題
会見が開かれた前日、7月19日に吉本興業は宮迫さんを契約解除したという文書を出しました。
7月19日発売のFRIDAYに宮迫さんが今度は別の犯罪組織と飲みの席で一緒になり、記念撮影をし、ギャラをもらっていたと報じられたことが最後の決め手となって契約解除されたものだと思いました。
楽天マガジンより
でも、実際は違っていたようです。
お2人が事務所とうまく話せないために弁護士を立てるんですが、弁護士さんを通じて、
「宮迫、亮、2人の引退か、あるいは契約解除どちらか選べ」
という通知がいきなり届いたそうです。
それまでの話し合いでは、
「時期はこちらで決めるが、いつか謝罪会見はさせてやる」
と言われていたので驚いた2人は、社長と直接話をしたいと思い、弁護士さんとの契約をいったん解除して、本社で面会を求めたそうです。
しかし、社長には会ってもらえず、弁護士さんに「引退か契約解除か選んでください。会見は明日の12時から行います。2時間後にこちらが想定したQ&Aを覚えてもらいますので、またお越しください」と言われてしまい。
これではだめだと思った2人は、2時間後、会社には行きませんでした。それが原因で、翌日契約解除になったんだと思っていると話しています。
亮さんについては正式に発表されていませんが、本人は「自分は2時間後に戻らなかった時点で契約解除になったと思っている。」とお話しされていました。
その後、会見場にいた記者が、
「吉本に亮さんだけ契約解除されていないのはなぜかと聞いたところ、本日勝手に会見を開いている。これは「直会見(事務所を通さずに開いた会見)」なので、契約解除ですね。」
と言われたと話していますので、今回の会見の途中で亮さんは自身の契約解除を知った形となりました。
追記:吉本興業によれば、7月21日現在、田村亮さんに関しては、まだ吉本興業と契約状態にあるそうです。
理由はよくわかりませんが、なぜ宮迫さんだけ切って、亮さんはそのまま継続なのか、22日の社長の会見で明らかになるのでしょうか。
宮迫と亮の言い分
この会見で宮迫さんは、
- 全責任は自分にある
- お金をもらってないということにしてくれと後輩たちに言ったのは自分
- 保身があった
- カラテカ入江が契約解消されたことで、金銭の授受があったことを認めてしまうと自分も同じ目に遭うと思い、怖くなって言えなかった
- 詐欺被害者がいるということに気づけていなかった
亮さんは、
- SNSでもラジオでも、相方にまでお金はもらっていないと嘘をついてしまった
- 本当のことが早く言いたかった(謝罪会見がしたかった)が事務所に止められた
- 会社と芸人はファミリーというなら、親(会社)は子(芸人)が謝りたいといったら、うまく謝れるように支えてくれるのが本当ではないか。どうして謝罪するなと言われるのかわからない
とお話しされました。
謝罪会見ということでしたが、今回の記者会見を開く経緯について詳細を話していくうちに、所属している(いた)吉本興業への不信感があらわれてきました。
吉本興業側は、
「当初、金銭をもらっていないといったのに、今更(もらったなんて)ひっくりかえせませんよ。」
「静観で行きましょう」
と話し、最初は事務所の言うとおりにしてしまったと反省するお2人。
その後、世間の批判が高まり、何度も記者会見をしたいと願い出ても、「静観」としか言われないことに不信感を覚えた亮さん。
6月24日に全員が集められ、謹慎を言い渡されたそうなんですが、その際にも記者会見を開きたいと申し出ると、それはさせられないと再び言われたそうです。
「辞めてでも、僕1人でも、記者会見をさせてくれ」
と亮くんが懇願すると、弁護士や社員は部屋から出されたうえで、吉本興業の岡本社長は、
「テープ回していないだろうな(録音していないだろうな)。」
「記者会見を開きたいなら、亮、お前が引退して一人で会見やったらいい。その代わり、これにかかわった全員クビやからな。俺はお前ら全員を首にする権限がある。」
と言ったそうです。
「最初に嘘をついてしまったことによってこんなに大きな騒動になって、自分たちが契約解除になることは仕方がない」
「吉本について暴露する形になっているが、ずっと世話になってきて育ててもらった事務所に対してこんなことしたいわけがない」
と話すお2人を見ていると、今回の会見では嘘は言っていないだろうなという印象を強く受けました。
だからこそ、
「在京5社、在阪5社のテレビ局は吉本の株主だから、大丈夫や。」と社長が言ったという発言や、
「今回のパーティーの反社会勢力は、入江君の話によると、「僕のイベントのスポンサーについてくれている。吉本の会社を通したイベントのスポンサーなので安心です。」と、それなら大丈夫かと(思って参加してしまった。)」という発言は爆弾発言ですよね。
これは、吉本のイベントに反社会勢力がスポンサーでついて、金銭の授受を会社も受けていたということになりますからね。
記者会見を引き延ばしたことを含めて、これから問題視されないといけないと思います。
でも、会見が終わった夕方のテレ朝のニュースでも、22:00からのTBS系「新・情報7daysニュースキャスター」でも、この発言についてはカットになってました。
会見を見て真っ先に思ったこと
お笑いが大好きな私が思ったことは、お2人がやったこと、嘘をついたことは悪いと思いますが、本来、芸人さんがあんな憔悴しきった状態でカメラの前に出てはいけないと思うんです。
笑いを提供している仕事ですから。
でも、今回、謝罪会見を開くまでに、お2人がおっしゃるようなことが実際あったからこそ、あれだけやつれてしまって、泣きながらの会見になったんと思います。
宮迫さんは不倫騒動の時に「オフホワイト」と言ってごまかしたことで、世間(特にネット)ではとても嫌われたようですが、夫婦の問題なので、芸人としては特に間違った発言ではないと私は思っていました。
もちろん不倫はいけないですけど。
不謹慎だと思う方もいると思いますが、あの不倫会見ぐらいの感じがお笑い芸人さんの会見だなと思うので、今回もっと早く対処していれば、記者会見中に「アッコにおまかせ」の記者が言った、「今回の騒動を色で例えると?」という場違い極まりない質問も答えられる雰囲気だったかもしれませんね。
ビートたけしさんの宮迫さん、亮さんに対する発言
ビートたけしさん、安住紳一郎アナウンサーの「新・情報7daysニュースキャスター」(TBS系22:00~)では、冒頭から35分、記者会見の模様を流しました。
安住アナが言うには、「なるべく、エッセンスを抜かずに放送した」とのこと。
確かに、吉本に宮迫達が記者会見をしたいと何度も懇願したこと、それはかなわずに「静観していろ」そして、時間が過ぎると「いきなり引退会見をしろ。そのときは、こちらの想定したQ&Aの通りに話せ」と言われたことは記者会見そのままに放送されていました。
安住アナは言葉を選びながら、
「人気者のお2人でも、年間500億円近くを売り上げる大きな組織の中では、臭いものにフタという言い方は少し言い過ぎかもしれませんが、まあ最初嘘をついていたこともあり、引くに引けないということもあり、強制的に引退をする、お前らの言い分はもう発表するはないんだということ強硬手段に出たなという感じ。」
とおっしゃいました。
事務所は違いますが、芸人としては大先輩のたけしさんは、
「うーん。えーとね、あの、まああんまり言うと放送禁止だらけになっちゃうんだけど、女衒ていうかね、人飼い事務所なんだよ。要するに。」
「でね、猿回しと同じで、おいらは猿なんだよ芸人だから。猿は猿回しがつかってるの。その猿が人噛んだからと言って、猿に謝れっていってもダメなの。飼ってるやつが謝るの。」
「ほいで、芸人にこういう姿を見せれば、リスクを負って、あんときの涙を流して記者会見したヤツ見て誰が笑うんだってなるの。これはやらせたくないんだよ。これをやってくれるなって思うわけ。」
「芸事っていうのは、人を笑わせるっていうのは、そう言うことを全部忘れて、明るく、くだらねえなって思わせるのが芸なんだから。それをやってしまわなきゃいけないようにした事務所おかしいって。」
「あと、もっと考えないといけないのは、闇っとか何とか言っても、それをやらなきゃ食えないっていけない状態の事務所契約なんだっていう。」
「だからちゃんと若手も出てきて、事務所がこういう仕事をくれていくらくれたって見せりゃいいんだよ。家族がいて食えないようにしたのはいったい誰なんだ。だったら雇うなよってことだから。最低保障ぐらいしろよってこと。」
「あと、本当に何回も言うようだけど、お笑いにとってこんな恥ずかしい姿をみせてほしくないのよ。」
「俺はもう、逆にケガしても何しても出て行ったけど。ほら、「こんな醜い姿みたいだろ」って、「見せてやらあ」って腹決めて出て行ったけど、これは腹決めてないじゃない。かわいそうだよ。こんなことさしたら。」
「俺も先に言ったんだ、すぐ言っちゃえって。いくらもらったって言えって。」
「その時に宮迫達が言ってるように事務所とみんな出てきて「すみませんでした。」で、それで済んだんだよ。」
「何か月か、1年かもしれない、半年かもしれないけれど、絶対に謹慎させて、出直しますって言えば済んだことなのに、ジャンジャンジャンジャン大きくして。週刊誌も2弾3弾やるからこんなことになってしまって。」
と宮迫さんたちの気持ちに寄り添った発言をしました。
また、ご自身が憤りを感じている今のお笑い芸人に対しての世間の考え方の変化についても、こんな発言を。
「だいたい、本当のこと言うとお笑い芸人に社会性とか、すごい安定したことを望む社会がちょっと変なんだよ。
おいらはそれが嫌でやってるんだから。品行方正さを漫才芸人に求めちゃダメで。
じゃあ、品行方正なタレントがいいのかっていえば、「最近詰まんない」って平気で言うんだから。見てるやつは。「危険度がない」とか。だからもうイラつくんだ。
片っぽですごい立派な社会人を求めているくせに、芸に対しては、「危険度がない」「つまらない」とか平気で言うんだから。だからどっちなんだよ。おいらは綱渡りをしてなきゃいけないから、大変なんだって。」
確かに、万人にウケるようなネタ、番組を作らないと、「非常識だ」とか「教育によくない」と平気で言うくせに、柔らかい表現にすると、「お笑い芸人のくせに」「この芸人は終わった」と平気で言いますから。
テレビ局側は、批判されて見てもらえないのは困るので、クイズとか健康番組とか、当たり障りのない番組を量産して、破天荒な芸人さんはどんどんテレビから追い出されている、深夜しか出られなくなっているのも事実ですよね。
番組に出ていたコメンテーターの毎日新聞論説委員の元村由紀子さんは、
「お2人が仕組んで嘘をついているようには見えなかった」
「彼らを守っているんじゃなくて、組織を守っている」
「公のお金を扱うようになってきてる吉本興業なので、「お笑い事務所だから」ということでは済まされない問題。コンプライアンスができてないところに公金が使われることを考えると黙ってみていられない。」とおっしゃっていました。
公金が使われていることもそうですが、公の仕事も担っている状態で、所属芸能人に圧力をかけている会社ということも、かなりの問題だと思います。
宮迫さん、亮さんに対する他の芸人さんのコメント
亮くん相方、ロンドンフブーツ1号2号の田村淳さんは直撃取材を受けましたが、ノーコメント。
午後のラジオでは「正直に話すのは同意してるけど、相談してほしかった。寝耳に水ですよ。」と話していたそうですが、Twitterでは、
『会見』
正直者で真っ直ぐな亮が戻ってきて安心しました— 田村淳 (@atsushilonboo) July 20, 2019
とおっしゃっています。
前回、嘘をついていたことを告白された際には、
『報告』
コンビの相方である田村亮が
謹慎する事になりました。 pic.twitter.com/WTrnaMlj7h— 田村淳 (@atsushilonboo) June 24, 2019
と悲しそうだっただけに、今回の会見を行った亮くんに対してはみとめているようですね。
同じ吉本興業に所属している陣内智則さんは、
謝罪会見
色んな感情で全て観ました。
二人の偽りのない会見だと思う。
亮のファミリー発言が全て。
お偉いさん
生放送で記者会見をして下さい
お二人の為に、僕たち吉本芸人の為に、詐欺被害に遭われた方々の為に。
僕たちは笑いが大好きで大好きで
お笑いの日本一だと信じた吉本興業に入ったんです。— 陣内智則 (@jinnai_tomonori) July 20, 2019
なかなか発言しにくい中で、このようにツイートするのも勇気がいると思います。
ダウンタウン松本さんの動き
お二人の会見のあと、記者のインタビューに答えた松本さん。
「会社と話しようかなと思います。」
会見を見てどう思いますか?という問いに対しては、
「ちょっと心痛いですね。」
とおっしゃりました。
その後、東野幸治さんと一緒にスタッフと話し合いがあったようなので、ワイドナショーは一部生放送になるかもしれないとのこと。
松本さんの発言に注目が高まりますね。
明石家さんまさんの発言
明石家さんまさんは土曜日のラジオ「ヤングタウン」(MBS土曜22:00~) で、
「仲間がフリーになるということで、会社の立場と宮迫の立場といろいろあるんでね。でも、何があったって我々は芸人サイドの味方ですから。」
「フリーになったということで、できれば、うちの個人事務所でほしい。どっかの事務所も狙っているかもわからへんけど、とりあえずうちも声をかけてみようと思ってるんですよ。」
「吉本興業が俺に対して、そんなことするなら会社辞めてもらうってなれば、仕方のないこと。もともと契約もしてないから。」
とおっしゃっていました。
さんまさんも吉本興業なんですが、税金対策等で個人事務所を開かれていて、業務提携のような形で吉本とつながってらっしゃるので、このように発言されたんだと思います。
このラジオは事前に収録されたものなので、20日の記者会見に関する発言はなかったそうですが、さんまさんとの競演も多い宮迫さんにとってはこのように行ってもらえるのは本当に心強いですね。
「雨上がり宮迫とロンブー亮の記者会見」まとめ
SMAPの解散騒動、能年玲奈ちゃんの事務所移籍による本名が使えなくなった問題で、あんまり芸能ニュースに詳しくない人、興味がない人でも、「どうやら、芸能界は一般社会とは違う掟というかルールがあるらしい」ということはぼんやりわかったと思います。
最近のNGT48だった山口真帆さんが訴えたこと。
「新しい地図」の3人がジャニーズ事務所からの圧力によって、番組に出られないのではないかということを公正取引委員会が調査した問題。
少しずつ、そのルールが世論に後押しされて変わっていくかもしれないと感じられた中での、今回の吉本興業の問題。
お2人が会見を開かれなかったら、それこそ芸能事務所と所属タレントの問題は闇に葬られていたと思いますので、今回の記者会見で少しでも風穴をあけられたならと期待します。
また、私たちを楽しませる仕事をしている人が苦しい状態、契約状況で仕事をしているのは普通とは思えません。
今後の展開も見守っていきたいと思いました。