錦鯉の優勝で幕を閉じたM-1グランプリ2021。
リアルタイムでABCラジオにて歴代M-1チャンピオンである笑い飯・哲夫さん、NON STYLE・石田さん、銀シャリ橋本さんが裏実況されていました。
みなさんがどんな感想を持たれたか、分析をされていたかをこちらでまとめておきたいと思います。
歴代チャンピオンによるM-1ウラ実況
昨年に引き続き、ラジオで実況されていたのは、
- 2010年チャンピオン 笑い飯・哲夫さん
- 2008年チャンピオン NON STYLE・石田明さん
- 2016年チャンピオン 銀シャリ・橋本直さん
のお三方。
ABCの斉藤アナウンサーともにラジオで生放送されていました。
決勝戦が始まる前に哲夫さん、石田さん、橋本さんが予想されていた「このコンビなら大会が盛り上がるだろう」というトップバッター(一番手)に向いている3組はこちら。
哲夫さん
- インディアンス
- 錦鯉
- もも
石田さん
- インディアンス
- ゆにばーす
- もも
橋本さん
- インディアンス
- 錦鯉
- ゆにばーす
3人とも漫才が好きすぎて似たようなコンビになってます。
結局、モグライダーになっちゃったんですけどね。
なぜ順番の予想なんだろう…最終決戦に残る組を予想してほしいな
ファイナリストのネタについての歴代チャンピオンのコメント
ここからは裏実況でそれぞれのみなさんがお話されていた各ファイナリストのネタに対するコメントをまとめていきたいと思います。
モグライダー
「さそり座の女」のネタ。637点
哲夫「前半めっちゃ突っ走ったから、後半もっと突っ走ったらもっと点数上がってたんじゃないかと思うけど、平均上がるよね。」
石田「(審査員)みんな本来つけとこうと思っていた点数よりきっと上の点数を付けていると思う。」
橋本「いいネタやな。本当に。」
石田「みんなの想像の気持ちいいところを言ってくれて、それがなじんできたころに芝くんがツッコんでくれて・・・ 構造が素晴らしい。」
斉藤アナ「全然緊張してないみたいに見える。」
石田「ともしげくんの手が震えてたな。」
哲夫「リズムが崩れてたところがあったけど、緊張じゃなくてそれも遊びでやりそうやな。」「何回見ても笑えるネタ。」
橋本「僕らのトップバッター3練炭に入ってなかったですね。」
石田「それでもこんな点数を取るという」
ランジャタイ
風猫のネタ。
石田「めちゃくちゃに見えて、わかりやすくなるようにやってる。」
石田「一瞬にあちらの世界に連れてく感じがすごい。」
哲夫「いつまでやっとんねん的なくだらないものから、あんなんを今更やるんかいっていうおもしろさを俺らの世代は感じる。」
石田「途中からジム・キャリーに見えた。」
哲夫「身体能力高いよな。」
橋本「唯一無二の漫才が作れる人って本当すごい。もうランジャタイの口になるとランジャタイでしか補えないというか。」
ゆにばーす
「ディベート男女の友情」 638点
石田「M-1を研究して、M-1のとり方をいろんな角度からもりこんだネタ。」
哲夫「拍手笑いが起きるようにもってきてるなぁ。」
石田「本当ならもっと後半の畳みかけで点数が上がるんでしょうけど、前のランジャタイのでいで少し落ち着いてしまったかも。」
石田「川瀬は納得いってない顔してますね。」
橋本「ちゃんと漫才しているから礼二さんも(点数)高いですね。」
敗者復活の笑御籤がひかれると
敗者復活の籤がひかれると盛り上がるお三方。
石田「東京ホテイソンもウケてたのに…」
橋本「えっ?見取り図?」
哲夫「わかりやすいボケをやってるコンビが多かった感じやね。」
敗者復活1位がハライチに決定すると、
石田「さっき僕が言ってた(予想してた)ここが上がってくると一気に優勝するんじゃないかっていうのがハライチだったんで。」
橋本「男性ブランコは本当に素晴らしかったんで。」
石田「あんなにシンプルなネタであんなにおもしろいのはすごい。」
石田「ハライチは数か月前に会ったときに、好きなネタができたって言ってたんで(それをやるんだろうな)。」
ハライチ(敗者復活)
ネタは「趣味」でした。636点
石田「敗者復活とネタを変えに行ってきたね。」
哲夫「優勝するためにやりとりがあるやつを持ってきたんかな?」
石田「敗者復活でやったネタをスタジオで見たかったな。」
石田「ガチャガチャしたネタをランジャタイがやってしまっていたから…もういっこ発展がほしかったですね。」
哲夫「上沼さんのとこに近づいていくと上沼さんの点が上がるよね。」
橋本「1点差の1位2位3位なんで、まだ何か残ってそうですね。」
哲夫「クソみたいなTwitterの時代やから、SNSでいろいろ言われるかもわからんね。」
ここでランジャタイが敗退。
哲夫「僕は98点つけてましたね。」
石田「バカなことを崩さずやり続けてますけど、ちゃんと構成もね考えてやってるのがM-1の感動するとこ。」
真空ジェシカ
ネタは「一日市長」 点数は638点
哲夫「いろいろ入れてるわ。うまいわ。これは点が高いで。」
橋本「3組残りそうですよね。この後にランジャタイが見たかった。」
点数が発表されると、
哲夫「あんまり点数が伸びてないなぁ。」
橋本「バカバカしいのを見てたあとだから、バカバカしいのがもっとほしくなっちゃったんですかね。」
石田「ランジャタイがこの大会をかき回してるからこの点数で止まってるんかな。」
橋本「点数だけ見てるとまだはじけてないですね。」
哲夫「こうなってくるとインディアンスとかが来たら行くと思うで。」
オズワルド
ネタは「友達が欲しい」 点数は
哲夫「回収をちゃんとしている。」
橋本「貪欲ですよね。みんなに見ておいてくださいって(言いますよね。)」
点数が出ると…
橋本「みなさん高い点数つけたかったんでしょうね。」
石田「本当にそうやろうね。」
哲夫「静かやからお客さんがドーンと笑うとわかりやすい。右肩上がりにちゃんと終わっているのが点数につながった。」
石田「畠中のディープさを伊藤くんのポップさが活かしてるんですよね。」
橋本「声質もいいんですよね。」
石田「理想の順番で来ました。ここから客席は笑う準備ができてるからもっと点数があがる組が出てくるかも。」
哲夫「もっと点数が上がるコンビがいるかもしれんけど、決勝3組には残るわ。」
斉藤アナ「ウケたあとは行きたくないんじゃないんですか?」
石田「ももとか行ったら掛け合いの感じがオズワルド流行ってないからめっちゃ受ける。逆にロングコートダディが行くとあんまりウケないかも。」
哲夫「オズワルドの受け方は他のコンビが頂戴したい感じ。」
橋本「ただロングコートダディは行きたくないですよね。」
ロングコートダディ
哲夫「多彩やわ。」
石田「おもしろいわ。兎も変人やもんね。」
橋本「僕大好きです。僕、鰻とか兎みたいな名前が好きなんかな?肉うどんの時の顔とか最高じゃないですか?全然オズワルドの後でも行けましたね。」
石田「手数は少なかったけど、ドーンと行きましたね。ワゴンRでもっといってたら…」
点数が発表されると…
石田「オズワルドとやっぱり比べられてた感じは否めない。」
哲夫「上沼さんはワゴンRが一番受けてた。」
石田「巨人師匠からすると、38マイクをもっと使ってもらうと違ってたんやと思う。」
※実際には巨人さんはマイクを使ってほしいとコメントされてました。(ネタ以外の音声はラジオ出演者には聞こえていない。)
石田「二度目の肉うどんはウケてましたね。」
哲夫「静かな時も落ち着いてたのがすごい。」
石田「コント師ならではですよね。」
哲夫「漫才師やったらしばらく静かやとたえられへんくてなんか掘り込みたくなる。」
錦鯉
笑御籤で錦鯉が出ると
哲夫「CM明けやからニュートラルになってるときに錦鯉か。」
石田「ピークを上げていくこともできるし、ピークを終わらすこともできるのが錦鯉。」
哲夫「二年目の強さがあるからね。」
橋本「お客様も安心して見てくれますよね。見方がわかってますから。」
ネタは「合コン」点数は655点
点数が発表されると、
石田「オズワルド基準で見た感じですね。」
哲夫「礼二さんが(オズワルドと錦鯉を)同じ点数にしはったんわかるな。」
橋本「どの3組が決勝になるかをちょっともう描き出してますね。」
石田「新しい形を作らないと上がっていけないと言われている時代に錦鯉さんの変わらないストロングスタイル、オーソドックス、やっぱすごいですね。」
哲夫「カッコいいなー。」
橋本「ご自身の50代っていうのもしっかりと使っていく。錦鯉さんしかできない。」
哲夫「しつこいのんてね、どうやったら嫌われてどうやったら笑われるっていう境界線が難しいんよ。うまいなー。めっちゃうまいんよ。」
橋本「(長谷川さんが)目がキレイなのもおもろなってきたな。」
哲夫「頭パンパンたたきすぎると「やめて」みたいに言われたりするんやけど、ネタがしっかりしてるから叩かれても「それはたたかれなしゃーない」って思えるんよ。」
石田「高齢化になっていくのも悪くないなっていう感じがしてきますね。」
橋本「自分らもまだまだ面白くなれるって思えますよね。」
哲夫「(決勝)2回目だからお客さんも分かってるし、強いんよ。」
哲夫「それにしてもみんな緊張しないのすごいなー。ももなんか言葉の応酬やから怖いやんなー。」
橋本「ももは前に飛んだことがあるらしいんで、ちゃんと対策練ってるんじゃないでしょうかね。」
哲夫「この後にモグライダーが来てたらはねてたやろうね。」
橋本「ランジャタイも来てたら…」
お三方ともM-1や漫才が好きすぎて話がつきません。
インディアンス
哲夫「ええ終わり方やなー。」
石田「疲れてきたころにインディアンス、いいですよね。」
哲夫「オズワルドはぬかへんかな。」
橋本「安定感がすごい。」
石田「本線のボケよりガワのがウケる。」
哲夫「こいつら本線なんかどうでもええもんな(笑)」
点数は655点。
哲夫「盛り上がりの量で言ったら錦鯉は同点やと思う。錦鯉は本筋で笑わせるし、インディアンスはガワで笑わせてるかの違い。」
橋本「巨人師匠はどちらにも92点つけてますね。」
石田「どっちも好きってことですね。」
哲夫「俺も同じ点付けるわ。」
橋本「どのライブでもトップに欲しいと言われ倒してるインディアンス、すごいですよね。」
個人的に、インディアンスはめちゃくちゃおもしろいのにそこまで好きになれないのはなんでなんだろうとずっと思っていたんですが、本筋じゃなくてガワだけで笑わせてるっていうコメントを聞いてなんかすごく納得しました。私はどうやら本筋を生ききってくれるネタのが好きみたいです。
石田「今日のファイナリストの中でお互いが白熱するブラックマヨネーズや笑い飯みたいなコンビはいない。ユニバースはちょっと違うし。そうなるとお互いをやりあうももが有利。」
もも
哲夫「おもしろいな。わからんなこれはむずいな。これどうすんねやろ。」
石田「いろんな種類をぶち込んでましたね。単調になりそうなつくりなんですけど。」
哲夫「漫才みんなうますぎるな。」
点数は645点でした。
哲夫「及ばんか。これを単調ととるかどうかやな。」
石田「無茶苦茶後半おもろかったですけど。」
石田「最終決戦の3組、全員がそれぞれの空気に一気にできるコンビだから。」
哲夫「漫才で種類が全部違うという。「これぞ漫才」が全部違う。マジでわからんな。」
橋本「マジでわかんないですね。」
哲夫「どこが優勝するかわからんな。」
石田「錦鯉は二階建てがハマりやすいタイプ。オズワルドは1本ずつちゃんと見られる感じなんで」
橋本「ももはもっとファーストボケ受けてても良かったですね。」
哲夫「志らく師匠はももを一番点数高くしてたな。」
石田「モグライダー、ランジャタイを後半みたかったですねー。」
哲夫「俺めっちゃすごいこと思い出した。番手の123予想したやんか。ちゃうやん。この3組頭に予想しとかなあかんかった。」
石田・橋本「そうですよ。毎回そうですよ。」
石田「7代目王者予想しときたかったですね。」
哲夫「去年のM-1やTHE Wみたいに2票2票3票になるかもしれんね。」
石田「誰が優勝するか書くだけ書いておきましょうか。」
とお互いが自分の進行表の裏にチャンピオンを予想します。
お三方の予想は当たったんでしょうか?
最終ラウンドでのコメントはこちら
最終ラウンドにはオズワルド・錦鯉・インディアンスが選ばれました。
①インディアンス
石田「手数打ってましたね。」
哲夫「ガワで勝負してましたね。このリズムがいっちゃん人間が笑うことを知ってるよな。」
哲夫「ただサザエさんのネタってね。おもろいって人とおもろくないって人もいるんやよな。
石田「減点対象にもなるというか。」
橋本「今までとは違う角度ならありみたいな。」
斉藤アナ「どうしてですか?」
哲夫「かんたんに笑いとれるやんっていう。」
橋本「芸能人の名前もダメだったりしますよね。」
石田「芸能人は良くても芸人はダメにみたいな。」
石田「ギリギリのところを狙ってきた感じ。うけたからいいやんみたいな。」
哲夫「反則スレスレでも笑いとれれば評価するしかないっていう。」
②錦鯉
哲夫「バカバカしさの中にもなんかシステムがあるよね。」
石田「あのおじいちゃん捨てじゃなかったんや。」
哲夫「ちょっと長いなって思ったんやけど。」
橋本「軽く印象に残るの入れておいて。」
哲夫「結局そこの世界観どうやねんっていうね。細かく設定してない。」
石田「オールドスタイル。」
橋本「ドリフ的な要素ありますよね。家族全員楽しめる。」
橋本「「志村後ろ」に続く「長谷川バナナ見るな。」ですよね。」
③オズワルド
哲夫「キレイやな、最後。これ続いてんねんや、やっぱ。」
石田「3-2-2(で票が割れる)ですか?」
哲夫「盛り上がったのがインディアンス。一個軸に盛り上がったのが錦鯉。じっくり行ったのがオズワルド、伏線回収系はオズワルド。」
石田「前半に出てきたのが後半に出てくるっていうのはもうバレちゃった感じがしますよね。」
哲夫「その日にあった醍醐味を最後のネタの人が出したりするんやけど、そこはもう散々こすったからっていう。」
石田「オズワルドの一人で何役もするっていうのも、ランジャタイがいなかったらもっとウケてるっていう。」
橋本「ぜんぶやってんねや、ランジャタイが。」
3組の漫才が終わって
哲夫「こう見たらハライチが一番わけわからんことやってた感じ。」
橋本「ファーストラウンドに何をやるかが本当に大事ですよね。」
石田「改めてみると技術点が高かったのはモグライダー。」
哲夫・橋本「もう1本見たかったなー。」
橋本「難しいですね。ありがとうございます。(哲夫さんも石田さんも)審査員やってくれて。みんな点数つけてくださいってエントリーしてるんで。(自分なら)放棄しますよ。」
哲夫「本当難しいですよ。」
石田「今回、マジで難しいですね。」
橋本「審査員の方って、ここが爆笑とってくれたら(そこに入れられるから)頼むわって感じですよね。」
哲夫「1本目と2本目合わせて採点する人もおるやろうし。2本目だけでって方もいるだろうし。」
橋本「石田さんが言うようにそれぞれのチェックポイントがあるだろうし。」
哲夫「正直1本目にいいネタ持ってこなあかんから。」
橋本「2本目に強いのを持ってくるとそこに行くまでがえらいことになりますもんね。」
石田「みんなやり切った表情。」
橋本「ほんま(誰が優勝するか)わからん。」
錦鯉の優勝決定後のコメント
哲夫「いやー。3-2-2ではなかったけど。」
石田「素晴らしいですよ。」
橋本「もうアナザーストーリー予約しますよ。※アナザーストーリーは27日放送だそうです。」
哲夫「はよしたいことあるわー。答え合わせ。」
予想は
- 哲夫さん…錦鯉
- 石田さん…オズワルド(錦鯉とオズワルドが同じくらいのウケなら1個目のネタの出来で)
- 橋本さん…オズワルド(2個目を見たら錦鯉)
でした。
哲夫さんが予想的中。
哲夫「(優勝を逃したとはいえ)オズワルドもインディアンスも1票ずつとってはるから。」
石田「錦鯉はスベれるチャンピオンなんで愛されますよね。」
哲夫「僕は錦鯉とランジャタイで泣き笑いしました。」
橋本「技術はみんなすごくなってきたから、その分なんも考えずに腹抱えて笑えるの(錦鯉)が際立ったのかな。」
哲夫「錦鯉に一番点数を入れていたのは礼二さん。」
橋本「松本さんが入れてた方が優勝したの久しぶりですね。※2010年の笑い飯さん以来」
石田「オズワルドは来年、優勝を目標にするならネタを見られるコンビなので2本ともきっちり仕上げないと。インディアンスは(優勝狙うなら)ガワだけでなく案の方にも力を入れないとね。」
石田「最年長が一番声出してた。これに尽きる。」
橋本「前半2組がいいパンチをうったので、他のメンバーが浮き上がるのを抑えた感じ。」
橋本「若い人たちが出てくれると、(数年後に振り返って)もうここに出てたんやみたいな。マンガの一巻二巻みたいな。」
橋本「敗者復活ならマユリカに期待したいですね。」
石田「いろんな意見があると思いますが、みんなおもしろい人たちばかりなんで悪い意見は地元のツレとだけ話す感じであんまり外に出さないで欲しいですね。」
漫才大好きなチャンピオンたちのトークは尽きない
M-1ウラ実況、2021年もとてもおもしろかったです。
チャンピオンならではの分析でもう一度漫才を聞くとまた違ったおもしろさがあります。
個人的にモグライダーがもっと後半の出順だったら最終決戦行ったんじゃないかなと思っていたんですが、みなさんも同じように思われているのがよくわかってうれしかったなぁ。