お笑い大好き、カジテレはお笑い芸人、ピースの又吉直樹さんが書かれた第一作目の「火花」が小説・映画ともに大好きです。
「火花」は売れない漫才師、徳永と先輩芸人神谷の10年間の物語です。
第153回芥川賞を受賞された作品なので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
「火花」が2015年に「文學界」に掲載されたときに、早速買って読みました。
あんまり小説で泣いたりでいないんですけど、泣きました。
その後、ネットフリックスが林遣都さん・波岡一喜さん主演でドラマ化し、それをNHKで連続ドラマとして放送したときに毎週欠かさず見ました。
演者の方の演技と丁寧な演出で、売れない漫才師の葛藤がジリジリ心に響いて、すごく好きなドラマになりました。
なので、又吉さんの2作目の小説「劇場」も、2017年に「新潮」に掲載されたときに購入して、すぐ読みました。
でも、この「劇場」はっきり言って、私には響きませんでした。
そんな、「劇場」が行定勲監督で映画化されるそう。
主演は、山崎賢人さん、松岡茉優さんとのこと。
めちゃめちゃ豪華。
又吉直樹さんが書いた小説「劇場」のあらすじは?
実はこの「劇場」という作品、又吉さんが「火花」を書かれるより先に、こちらの構想を練っていたものだったんだとか。
「火花」は勢いで書いてしまった方がいい気がしたけど、「劇場」は取材をして時間をかけて完成させたかったのだそう。
又吉さん、わざわざ、小説を書くために主人公が住んでいそうな古いアパートを借りて、執筆されていました。
小説「劇場」のあらすじは
高校卒業後、大阪から上京し劇団を旗揚げした永田と、大学生の沙希。それぞれ夢を抱いてやってきた東京で出会った。公演は酷評の嵐で劇団員にも見放され、ままならない日々を送る永田にとって、自分の才能を一心に信じてくれる、沙希の笑顔だけが救いだった
「劇場」は「火花」のような漫才師のお話ではなく、売れない劇団員・永田とそれを支える沙希のお話です。
私が「劇場」をおもしろくないと思った点
おもしろくないとはっきり言ってしまっていますが、「おもしろくない」というより、「しんどい」と言った方がいいかもしれません。
テレビや映画ばかり見ていて、劇団の方がやられるお芝居に思い入れがないのも理由かもしれません。(田舎に住んでいるので、お芝居が身近にないんです…)
永田の焦る気持ち、負けたくない気持ち、自分にしかないものをやっているというプライド。
そういう気持ちはすごくわかるし、丁寧に表現されているんですけど、それがしんどい。
読み始めはスラスラ読めていたんですけど、だんだん、読み進めるのがしんどい。
「火花」に出てくる德永や神谷たち漫才師もしんどいんですけど、又吉さんやほかの芸人さんに置き換えられたし、自分が好きな世界なんで、読んでいけたんです。
M-1グランプリなんか、その後、出ていない芸人さんたちが解説や感想をおっしゃる番組まで見てるぐらいなので、しんどさがわかってうれしいぐらいだったんですけど、劇団にはそこまで思い入れがないから、永田がやっていることがなかなか理解できなかったんです。
これは、「劇場」がおもしろくないというより、私の想像力が足らないんでしょうね。
または、私は、前作の「火花」が好きすぎるので、比べてしまっておもしろくないと思ってしまったのかもしれません。
あと、「恋愛小説」と言われていますが、劇団員、劇作家としての永田のしんどさを引きずりすぎてしまって、恋愛小説に思えなかったです。
てか、思いたくなかったです。永田がこじらせてどうしようもないヤツすぎて…・
映画でも、こんなにしんどく感じるのでしょうか。
そんな「劇場」も行定勲監督の手にかかれば、珠玉の恋愛ストーリーになるかも
「劇場」にあまりいい印象を持っていない私ですが、映画化はあのヒットメーカー、行定勲監督がメガホンをとるそうです。
行定監督と言えば、窪塚洋介さん主演の「GO」で人気監督になり、「世界の中心で、愛をさけぶ」で大ヒットを記録したヒットメーカー。
最近では、松本潤さん、有村架純さんの「ナラタージュ」や二階堂ふみさん、吉沢亮さんの「リバース・エッジ」も監督されています。
恋愛映画をたくさん監督されていますし、どれも映像が美しくて、あっという間にその世界に入り込んでしまう作品が多いイメージです。
私がしんどいと感じてしまった劇団員のアンダーグラウンドな世界をどのように表現されるのでしょうか。
しんどければしんどいほど、心を打つラブストーリーにされるような予感が…。
そして、「劇場」の主演は今をときめく、山崎賢人と松岡茉優
画像:新潮社 「劇場」映画化特設サイト より
実写化のプロフェッショナルになりつつある、山崎賢人くんが「永田」役をやるという。
実写版「キングダム」もめちゃくちゃヒットしましたよね。事務所の方針なのか、実写化の主演をやり続けて、賢人くんのスキルも相当上がったんでしょうね。
賢人くんといえば、本当はご苦労されているんでしょうけど、イメージ的には順風満帆に芸能界を渡っているように見えるので、もがきまくる永田をどう演じるのかとても楽しみですね。
実写化で嫌というほどキャラに近づかれてきたでしょうから、お手の物かもしれません。
沙希役は松岡茉優さん。松岡さんも「ENGEIグランドスラム」の司会など、バラエティーにも出ながらも、コンスタントに演技のお仕事もされています。
昨年は映画「万引き家族」に出演されていますし、今年は本屋大賞を直木賞をダブルで受賞した恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」にも栄伝亜夜役で出演されます。
どちらも難しい役なのに、抜擢されていらっしゃるので、演技力は十二分にお持ちですよね。
「劇場」の献身的に主人公を支え続ける女性、「沙希」をどう捉えて演じられるのか、こちらも楽しみです。
「又吉直樹原作の「劇場」が山崎賢人・松岡茉優主演で映画化!おもしろくなかったけど大丈夫?」まとめ
原作者の又吉さんって、あんまり数多く恋愛したことなさそうですよね。一途というか…。
ご本人も「恋愛がわからん奴が恋愛小説を書きたかった」とおっしゃってるぐらいですし。
あと、私がとても気になったのが、「火花」に出てくる女性が「真樹」で、「劇場」に出てくる女性が「沙希」なんですよ。
「劇場」読んだとき、
名前もだけど、献身的な女性が好きなのかな?
「劇場」、私には響きませんでしたが、夢を追いかけている人たちなら、主人公・永田の気持ちがとても理解できて切なく感じるのではないでしょうか。
私は、小説をおもしろいと思わなかった反動で、映画が気になってしまっています。
見に行こうかな…
以上、「又吉直樹原作の「劇場」が山崎賢人・松岡茉優主演で映画化。おもしろくなかったけど大丈夫?」でした。
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