最近話題になっている「断捨離」の商標権についての問題、みなさんご存知ですか?
「断捨離」はクラターコンサルタントのやましたひでこさんがつくられ、そのメソッドは家に物が増えすぎて悩む人たちに多く支持されました。
詳しい手順は知らなくても、今では日本全国民、ほとんどのみなさんがこの単語については知っているのではないでしょうか。
私と断捨離
もともと、昔からインテリアブログを読むことが好きな私。
実家がゴミ屋敷だった私は、美しく整頓された住み心地のよい家に住むのが夢だったので、素敵なおうちや家具、小物について書かれた雑誌やムック本、ブログを読むのが大好きなんです。
だから、「断捨離」という言葉も本を出版された時期(2009年)ぐらいに知りました。
[st-kaiwa1]一度聴いたら忘れられない響きですよね[/st-kaiwa1]
早速、「断捨離」(やましたひでこ著)、「断捨離のすすめ」(川畑のぶこ著)を買って、自分なりに勉強して家のいらないものをたくさん処分したり、テレビに出られていたらチェックしたりしました。
やましたさんのブログも読んだりしました。老子の「知足」(足るを知る)がよく出てきて、もともと好きな言葉だったのでうれしくなったり。
それまでにも「捨てる技術」(辰巳渚著・2000年)のように、モノを減らすことに関する本が出版されたりしました。
でも、どちらかというと、当時は今家にあるものをうまく収納するための方法が書かれた本が多かった気がします。
テレビでも、今も活躍されている近藤典子さんのような収納名人が、いろいろなグッズを使って限られたスペースに物を収める方法を教えてくれる番組を見て試行錯誤して部屋のものを何とか納めていました。
ちょうど、断捨離と同じくらいに近藤麻理恵さんの「人生がときめく片づけの魔法」も流行して、片付けの考え方が、「物を減らす」方向へシフトしていきました。
私も、なかなか、やましたさんのお宅ほどものは減らせませんでしたが、ぎゅうぎゅうだったクローゼットや食器棚はずいぶん使いやすくなり、空気が通るような気がしてうれしかったのを覚えています。
ただ、
-
- 自分なりに物を減らすことができたこと
- だんだんやましたさんの厳しさが「やりすぎじゃないかな」と思えてきたこと
- そこまで減らしてしまったら、ウチでは生活していけないなと思ったこと
- 単純にどんどんミニマリストの方が出てきて、興味が変化していったこと
そんなことが重なり、やましたさんだけに注目することはなくなっていきました。
久々にやましたさんの姿を見たときに感じた違和感
2017年に終了してしまった、テレビ番組「住まいのダイエット」(MBS系日曜9:30~)。
当時、娘が見ていたプリキュアの後番組だったこともあり、毎週楽しみにして見ていた番組。
[st-kaiwa1]あっという間に終了してしまい残念に思いました。[/st-kaiwa1]
物が増えすぎて困ってしまった一般のお宅に、「住まいのダイエットコーチ」として、片付けのプロたちがお笑い芸人さん(住まいのダイエットサポーター)と出向き、独自の方法で物を減らしていく番組でした。
最後どれくらい物が減ったか、トラックごとでゴミの重さを測る場面は子どもが食いついてました。
やましたさんはその番組に4回登場されています。
半年間の放送で4回ってすごいですよね。
やはり、片付けのプロたちの中でも知名度抜群だからでしょう。
そこで、ひさびさにやましたさんをみたんですが、そのときに、断捨離に商標登録した証の®️マークが付いていることに気づきました。
なんか、漠然とすごく違和感を感じました。
住まいのダイエットという番組なので、「物を減らしてなんぼ」なのですが、そのお宅の方が記念に買っているカップもいらないんじゃないかと減らそうとするし、変わってないなーという印象。
提唱者の考え方がコロコロ変わってもおかしいので、一貫してらっしゃるのは悪いことではないですけど。
まあ、違和感はあったものの、そのときはそこまで何も思いませんでした。
そしたら今回、騒動が。
「断捨離」という単語をつかってはいけない?
Twitterで仲良くさせていただいているていないさんのブログにこんな記事が。
ていないさんのぶろぐは商標権についての法的見解について弁護士の方の話を聞いたり、多方面から深く追及されています。
ミニマリストユーチューバーさんが、「断捨離」という単語を使って動画をアップしていたため、弁護士の方から使用しないよう通達があったそうなんです。
その後、一部のブロガーさんも同じ通達を受けたとか。
「断捨離って勝手に使うんなら、訴訟も辞さないよ。」ってことですね。
「断捨離」の商標権はやましたさんにあるので、個人で友達と「断捨離したー。」って話すことはよくても、「断捨離」という単語を使って番組を作ったり、ブログを書いたりして、収益を上げようとしてはいけないということです。
なんか、これだけ聞くと、納得してしまいそうになります。
でも、同時にここまで一般的に広まった「断捨離」という言葉を自由に使えなくすることに何の得もないような気がします。
もちろん、「断捨離まんじゅう」とか「断捨離がはかどるゴミ袋」って名前で商売して、利益を得ることはだめだと思うんですけど。
[st-kaiwa1]断捨離まんじゅうは売れなさそう[/st-kaiwa1]
「断捨離」はやましたさんが認めた人しか使えないってことです。
お弟子さんのような方(断捨離トレーナー)がたくさんいらっしゃったので、そういう方はビジネスとして使ってもいいけど、関係ない整理収納好きなブログ書いている人(私も含まれる)や、ユーチューバーは使わないでよとおっしゃってるようで。
商標権を振りかざされると言われた側はなんかこわくなって「使うのやめよう」と思ってしまいますが、商標権があるからと言って「YouTubeに使うな」「ブログに使うな」ということは言えないそうなんです。
法的な知識のない一般人や、トラブルを避けたいテレビ局などに、「商標権」の持つ権利以上の権利を主張し、すでに一般名詞化している「断捨離」を自分の気に入らない使い方をするなと取り上げたり、「断捨離」という言葉を個人の表現から奪うという行為は、「商標権」の権利を超えた越権行為は、上記ツイートのようにスラップ訴訟だと問題提起される人が増えるかもしれません。
ていないブログ「断捨離トラブルは擬似著作権?商標権を主張したもん勝ちのスラップ訴訟?」より
やましたさんが過剰に権利を行使されてるということなので、今回は普通に「断捨離」という言葉をだしてブログを書きました。
そもそも断捨離ってどんな意味?
そもそも断捨離ってどう意味だったんでしょう。
私も久しぶりにおさらいとして調べてみました。
断捨離は、「もったいない」という固定観念に凝り固まってしまった心を、ヨーガの行法である断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)を応用し、
- 断:入ってくるいらない物を断つ。
- 捨:家にずっとあるいらない物を捨てる。
- 離:物への執着から離れる。
として不要な物を断ち、捨てることで、物への執着から離れ、自身で作り出している重荷からの解放を図り、身軽で快適な生活と人生を手に入れることが目的である。
Wikipedia 断捨離 より引用
最終的に「物への執着をなくす」ことが大切であって、物を減らしたり、片付けることがメインではないんですよね。
ミニマリストとは違うというか。
ていないさんのブログによると、人気があった深夜番組「ナカイの窓」が終了してしまったのは、番組側が断捨離という言葉を使ったコーナーを勝手に放送し、それでもめにもめてしまったからという説もあるんだとか。
[st-kaiwa1]ナカイの窓が大好きだった私としてはそれはショックすぎる。[/st-kaiwa1]
番組側が一言でも事前に連絡していたらよかったんでしょうか。
「断捨離」という言葉が一人歩きしてしまい、やましたさんが提唱してらっしゃる意味とは違って使ったからいけなかったんでしょうか。
正しく意味を理解せずに使っている人が増えてきたから、番組や動画などで勝手に使わせないようにするために取り締まるみたいなのはどうなんでしょう。
やましたさんが出演されている「ウチ、断捨離しました」(BS朝日 水曜21:00~)の中や出版される本で正しい意味を理解する人が一人でも多く増えるように、地道に活動されていくしかないんじゃないような。
ちゃんと許可とって(使用料払って)使ってくれるならいいですよと思えてしまうのは、私ががめついからなんでしょう。
断捨離を断捨離
「断捨離」という言葉が独り歩きしていると危惧されているかもしれませんが、私にとっては「断捨離」=やましたさんの顔が出てくるぐらい強烈な印象があります。
整理収納番組を見ない方には言葉だけの印象しかないかもしれませんが…。
断捨離のおかげでものを減らした経験もあるし、出ていらっしゃる番組もたくさん見ましたが、®マークを見たあたりから感じた違和感と今回の騒動。
断捨離を使ってはいけないのかもしれないけど、こちらの方からもう使いたくないなと言うのが正直な気持ちです。
最初はステキな考え方だなと思ったし、実際部屋も片付いた。
でも、だんだん違和感が…そしたら、Rマークがついてるのに気がついた。棚の中に空気の通り道があるような余裕のある置き方に憧れたけど、言葉は自分の元から絶対手放さないんだな。
そんなの執着の塊いらないや。
— カジテレママ🍏テレビ歴40年主婦歴12年 (@kajitelemama) 2019年6月11日
「物への執着から離れる」「足るを知る」とおっしゃっている方に感じてしまう執着心。
感銘を受けていた方への違和感と、今回の騒動をうけてのその違和感の答えが分かったと同時にがっかり感が襲ってきたこと。
断捨離という言葉の流行、ミニマリストの流行も経て、物が多すぎてもよくないという思うようになった人がたくさんいます。
だから、もう特にインパクトのある「断捨離」という言葉を使う必要もないかなというのが正直な気持ちです。
執着でがんじがらめになった言葉を使いたいとは思わないし、物を減らして、住みやすい家にすることは特定の言葉がなくてもできますしね。
今回の騒動、展開がどうなっていくかわかりません。
もともと「断捨離」という言葉はやましたさんじゃなく、すでに亡くなられている沖さんという方が作られた言葉だったという話まで出てきたし。
[st-kaiwa1]今後も展開に注目したいです[/st-kaiwa1]
個人的には風通しがいい、澄んだ部屋と心でいられるようにこころがけようと改めて思いました。