もうすぐ7月が終わりますね。
お子さんお持ちのみなさん、夏休みの宿題大変ですよね。子も親も…
今日は、私のブログの先生でもあり、塾でたくさんの生徒さんを教えてらした経験もある上條晴行さん(@MinatoWorks )に「読書感想文の書き方」について、寄稿していただきました。
今回、私の小学生の娘が6年生と4年生ということもあって、「小学校高学年」のお子さんをお持ちのパパやママに向けた記事にしていただきました。
夏休みの宿題で、最大の難関ともいえる読書感想文・・・
私もしっかり読んで勉強したいと思います。
小学生のお子さんがいるご家庭用!読書感想文が苦手な子でもスイスイ書ける方法
今回はカジテレママのサイトへ寄稿させていただきます。
今回、カジテレママから頂いたお題は
「小学生の子ども向けの読書感想文の書き方」
こちらです。
ちなみに、寄稿者カミジョーは14年間ほど小中高校生対象の学習塾で
生徒を指導してきました。
当然、夏休み中に開催される夏期講習では
「読書感想文」の指導もしていったのです。
今回のテーマは
「燃えよ!読書感想文!!!」
読書感想文が苦手な理由を考えてみた
ちなみに読書感想文が得意!という小学生はきっと国語や作文の成績がとっても良いのでしょう
しかし、残念ながらほとんどの小学生はきっと
Question「読書感想文、好き?」
と質問したら
Answer「きらーい!!!!!」
または苦手と答える子が多そうです。
それにはいくつか理由があります。
- 読書習慣がない
- 指定図書という興味ない本を読まなくてはならない
- 本が厚くて読みきれない
- 読めはしたがそれを原稿用紙数枚にまとめるのが大変
こんなところではないでしょうか?
小学生が読書感想文苦手な理由1.読書習慣がない
まず、小学生の多くは漫画やスマホで動画、アニメは受け入れられるけど
そこまで活字を読む習慣がない
スマホがあれば文字も勝手に変換してくれるし、
長い文章を読むと疲れてしまう
というのが現在の活字離れにも拍車をかけていたりします。
そもそも読書習慣がない小学生にとって200頁程度の本であっても
非常に分厚い百科事典くらいの気持ちになります。
小学生が読書感想文苦手な理由2.指定図書という興味ない本を読まなくてはならない
次に指定図書や読書感想文コンクールなどが夏休みの前後に発表されて
それに申し込んで参加賞などをもらえたら嬉しいし、入賞もちょっと狙ってみようかなと多くの小学生は思います。
学校によっては、方針で自由図書ではなく、課題図書から選ぶことを義務付けているところもあります。
そうなると、活字慣れしていない+全然興味がない本を読まなくてはならなくなるわけです。
僕も学生時代に読書感想文を毎年書きましたが
今でも覚えているのが
「レイチェル・カーソンの沈黙の春」
沈黙の春はDDTなど農薬に含まれる化学物質の危険性と、
鳥達が鳴かなくなった春という出来事を通し訴えた作品です。
これを読んだのが中学2年生くらい!!!!
さすがに中学生に沈黙の春はレベルが高すぎる!
と思いました。
つまり、環境問題に関心が薄いのに環境問題についての本をチョイスした僕の選択ミスです。
小学生が読書感想文苦手な理由3.本が厚くて読みきれない
そして、これが最も大きい読書感想文を苦手にさせる原因でしょう。
そう、本を一冊読み切るってめっちゃ億劫(と思っている小学生が多い)
※大人になると読書の必要性などを痛感するので自然に読書する人口も増えますが
小学生に読書の必要性を説くのは意外と難しいのです
小学生が読書感想文苦手な理由4.読めはしたがそれを原稿用紙数枚にまとめるのが大変
最後に、これ!
読んだけど、それをどうやって感想文にしたらいいのかしら?
特にぶっちゃけなんも感じなかったのだけど
どうしましょう?
っていうコトです。
本は面白い本もあれば
何も感じないような本もあります。
押し付けがましい教訓などを描かれていても小学生だって興ざめしてしまう事もあるでしょう。
さて、そんな現状でどうしたら
「小学生が読書作文をスラスラと書けるようになるのか?」
というコトを1370文字の↑この前置き↑を踏まえて
ここから書いていきたいと思います。
小学生に教えたい読書感想文を書く裏技
小学生に教えたい読書感想文の裏技です。
- 一冊全部読まなくても良い
- まずはあらすじや要約を読もう
- 読書感想文とは本の感想2割:残り8割は自分のコトを書こう
キャプション
コンテンツ
ということで大切な部分はこの3つです。
読書感想文を通じて
物事を短時間できちんと整理したりアウトプットできる力を身につけるコトは非常に有益です。
大人になるとは、
「自分の意見を素早く言えるコト」
「色々な返しを身につけるコト」
です。
決して
「四角四面に1頁残さず丁寧に本をマジメに読んでわけのわからない感想を書くコト」
これが大人になってから通用するわけではありません。
一冊全部読まなくても良い
多くの小学生は思っているはずです。
「読書感想文とは、1頁目から最後の頁まできちんと読んで、その感想を作文に書くコト」
または
「読んだ本の内容を要約する必要がある」
そして
「読んだ本の内容をきちんと理解していないといけない」
これらはすべて正しくありません。
「一冊まるごときちんと読む必要はない」
「本の要約をしてもそれは読書感想文ではなく要約文」
「内容の理解を小学生が完全にできたら、それはスゴイこと」
というわけです。
読書感想文で実際に大賞になるような作文を読んだことがありますが
「20%:本の内容」
「7、80%:自分のエピソード」
という構成がほとんどです。
タイトルは読書感想文ですが、
ある種エッセイであり、自伝みたいな
そんな薫りがしてきそうな内容が評価されます。
まずはあらすじや要約を読もう
読書感想文で必要な部分はあらすじと要約してかいつまんでこの本て結局何が書いてあるの?
っていう部分のみです。
詳細は必要ありません。
ザックリとしたストーリーがわかればいいのです。
そして、その本のテーマや主題さえ捉えていれば
それを料理して読書感想文とすることが可能です。
読書感想文とは本の感想2割:残り8割は自分のコトを書こう
1つ目にも書きましたが
読書感想文では、読書して読んだ内容は2割程度でかまいません。
ほとんどの小学生は、
「あの場面はどうだった」とか
「ここのシーンが好き」とか
そんな書き方をしていますが、
それも仕方ないことです。
学校ではほとんど作文の書き方指導はしてませんし、きっとそれは学校の先生には難しいコトだと思います
それは正しい読書感想文というものを理解していない方が多いからです。
実際にカミジョーが読書感想文を書いてみた
選んだ本は「レンタルロボット」
作:滝井 幸代
絵:三木 謙次
出版社: 学研
の小学4年生向けの図書です。
まず、この読書感想文を書く上で
僕がしたことです。
- あらすじを読む
- 作者についてどんな人か調べる
- なぜこの本が指定図書に選ばれたのかを考えてみる
という感じで事前準備をします(10分くらい)
これはとても大切なコトですが、
「出題者意図」
これを理解することが人生においても受験においても大切です。
つまり
「なぜ、その課題を出したのか?」
という意図を理解して、意図から離れない解答を心がけるコト
これが作文ではとても大切です。
レンタルロボットを簡単に要約すると
◯登場人物
・健太:主人公「弟がほしい」
・ツトム:「ロボット」「6歳」
・ルール:健太は弟がロボットだとバラしてはいけない
・このお話のテーマ:兄弟は時に面倒くさいけど大切にしなきゃね!
「弟がいたら、いいなあ」
主人公の四年生「健太」はそんなコトを願いました。
そんな健太の前に現われたのは、「ロボットをかします」と書かれたお店。
健太はおこづかい全部で弟ロボットを手に入れます。
弟ロボットの名前はツトム(小学1年生の六歳)
ツトムの電源を入れるとロボットから特別な電波が出ていて、
「みな最初から健太に弟がいた」と記憶改変が!
そうこうしているうちに健太の家では弟のツトムとの生活がスタートします。
最初は嬉しかった弟ツトムの存在も、嬉しいコトばかりではないことに気が付きます
・お母さんを独り占めできない
・テレビのチャンネル争い
・おやつを食べられてしまう
などなど
ある日、健太はツトムと兄弟喧嘩をして言ってしまいます
「お店に返すぞ!」と
そうするとロボットであるツトムは健太の言うコトを聴くので
ツトムはそれからも度々その言葉を使うようになりました。
「レンタルロボットを読んで感じた兄弟の大切さ」
四年一組12番 かみじょーはるゆき
「なんか、ドラえもんみたい…」それがレンタルロボットを読み始めた僕がまっさきに感じたことです。
一人っ子の僕もレンタルロボットに登場するツトムのような弟がいたらいいなと思いました。
家で一緒にゲームができたり、休日には兄弟で出かけることもできる!
ないものねだりというものは、ないから欲しいのであって
実際にそれを獲られた時にどんな環境になるかまでは人は考えませんでした。
実際にこの作品でも健太はロボット弟であるツトムがやってきて最初はうんと喜びましたが
次第に弟がいることの大変さ、自分が我慢しなきゃいけない場面が本当はたくさんあったというコトを知ります。
しかし、まだ小学校4年生の健太はそんな「我慢」よりも「自分の気持ち」を優先してしまったのです。
僕がこの本を読んで一番印象的だったのは
「お店に返すぞ!」って言われた時のツトムの気持ちはどんなものだったのか?
というところです。
ロボットであっても、弟として必要とされた自分が
「お店に返すぞ!」=もうお前なんかいらないし、兄弟じゃない!
というとても鋭利な刃物のような言葉です。
言葉は人を勇気づけたり、元気にする魔法も持っていますが
言葉は選ばないと相手を傷つける事もあります。
それが大切な相手ならなおさらです。
そして一度吐き出した言葉はもとに戻りませんし
なかったコトにはなりません。
「レンタルロボット」を読んで感じた教訓は
「言葉は大切に使おう」
「家族は大切にしよう」
「相手の立場を尊重できるようにしよう」
「ときには我慢しよう」
という所です。
これからも、僕はレンタルロボットを読んで学んだコトを忘れずに成長していきたいと思います。
みたいな感じで書いてみたら良いと思います。
※実際に僕はレンタルロボットを読んでません。あらすじを読んだだけです
※あらすじを読んでもこれだけ書こうと思えば書けます
そう、大切なのは
何を書こうとするか?
ここです。
読書感想文が苦手な小学生の子どもがいるお父さんお母さんへ
読書感想文に毎年悩まされているお父さんお母さんへ
最後のまとめ部分として書いておきます。
読書感想文が苦手なのは全然普通なことです。
しかし、親としてしてあげられることがあります。
ポイント
- まずはその本を自分も読もう
- ご家庭でその本についての会話をしよう
- 自分の意見を言ってみよう
- 作文が書けたらほめてあげよう
- 簡単に読書感想文を書けるようにするにはこんな質問をしてみよう
「この本ってどんな本?」
「どこがおもしろかった?」
「この本のテーマってなんだろう?」
「そのテーマを〇〇くんは今学校やおうちでなんか感じるコトある?」
これだけで大丈夫です。
こういう誘導をご家庭でできれば、スムーズに読書感想文も書けるはず
一番いいのは、親としてその本を買うなり借りるなりして読んで見ることですね。
自分は読みもしないのに、
その読書感想文について叱ったりするのはまた違うのです。
寄稿者カミジョーとは
2002年より14年間、学習塾で指導を行う
退職後にフリーランスとしてブロガーの先生となる
好きな作品は「サマーウォーズ」
詳細はこちらを御覧ください。
寄稿者カミジョーとは
「小学生のお子さんがいるご家庭用!読書感想文が苦手な子でもスイスイ書ける方法」感想とまとめ
カミジョー先生、ありがとうございました。
すっごくわかりやすかったです。
娘の読書感想文、毎年、私も一応題材の本を読んでから、アドバイスしていましたが、子どもに「この本がどんな意図で書かれているか」という点は考えてもらったことなかったです。
書いてくれた感想文を読んでも、その本の意図から離れた感想になってしまっているので、いろんな質問をして、こちらが誘導していました。
大人はなんとなく読めば、
「作者はこういうことを言いたいんだな。」
「こういうことを感じてほしいから、課題図書になったんだな。」
と思えますが、娘たちはそんなこと全く考えてないので、学年が上がるにつれ、
母:娘が書きやすくなるだろうと思って、いろいろ質問しても、納得してもらえない
娘:ちゃんと感想書いてるのにどうしていろいろ聞かれなきゃいけないの?もう考えるのが嫌になったから、お母さんの言ってる通りに書けばいいや(丸投げ)
と親子ですれ違って、それぞれに苦痛になってました。
この本を書いた人はこの本で何が言いたいんだと思う?とまず聞いて、子どもに意図をわかってもらってから、感想を書いてもらえばスムーズに進みそうですね。
あと、読書感想文って、「自分の心に浮かんだ気持ちを書くこと」「長文を書く練習をすること」が目的だと思っていました。
でも、カミジョー先生によると、
読書感想文を通じて、物事を短時間できちんと整理したりアウトプットできる力を身につける
ことが目的なんですね。
夏休みだけのものじゃない、コンクールに応募するためだけじゃない、将来役に立つ力を身につけるための宿題なんですね。
そういう話も子どもに伝えたいなと思います。
とても勉強になりました。
ここ何年か、私も「早く書きなさい」と大声をあげて、娘たちが悪戦苦闘しながら、なんとか仕上げていた読書感想文。
今年はカミジョー先生流にアドバイスして、「楽しく書けた」と感じてもらえるようにしたいと思います。
カミジョー先生ありがとうございました。
…でも、もし、なかなか娘が読書感想文に取りかかってくれなくて、やきもきしてしまった場合は、またカミジョー先生をおちょくらせてもらおうと思います。
このブログの本に関する記事はほかにも。